不動産評価の方法

不動産の評価は、土地と建物を別々に考えます

相続における不動産(建物+土地)の評価方法

建物は、毎年春に役所から送られてくる納税通知書(課税明細書)に記載された固定資産税評価額を利用します。人に貸している場合は権利が制限され、借家権割合と呼ばれる30%を差し引きます。

一方、土地は国税庁が毎年7月に公表している路線価と呼ばれるものを用います。これは、国税庁のホームページでも確認できるものですが、その中身はやや難解です。一応、実勢価格の80%が目安とされますが、現実には都心ではそれよりも低く、逆に郊外ではそれを上回ったりするケースも見受けられます。路線価がないような地方では、固定資産税評価額に一定倍率をかけたものを用います。この場合も、やはり実勢価格の80%程度となります。

なお、自分の土地に他人に貸している建物がある場合は、借家権割合30%と借地権割合60~70%(東京の一般的な住宅地等)をかけ合わせた約20%が差し引かれます(これは「貸家建て付け地」と呼ばれるものです)。

相続における不動産(建物+土地)の評価方法

土地の評価でぜひ覚えておきたいのは、「小規模宅地等の特例」と呼ばれる減額措置です。これは、条件さえ合えば最大80%も評価額が減額されるというもの。これを利用するかしないかによって相続税の有無や金額に大きな差が生じる可能性があります。

また、土地はその形状によっても評価が変わります。一般的には使い勝手の良い形状ほど評価が上がり、その逆は下がります。これは補正率と呼ばれるものを用いて調整し、その代表的な4例は以下の図の通りです。

相続における不動産(土地)の形による補正値

株式評価の方法

株式の評価は上場か非上場かによって異なります。

上場株式の場合は、

  • ①親の死亡した日の終値
  • ②その月の毎日の終値の平均値
  • ③前月の毎日の終値の平均値
  • ④全前月の毎日の終値の平均値

の4つの中から最も低いものが評価額となります。①のみと勘違いする人も多いようですが、それは誤りです。思いもよらぬ金額にもなり得るので、一度株式の評価額を計算してみた方が良いでしょう。株価が乱高下してる時期であればなおさらです。

非上場の場合は、会社規模や同族の株主かによって4パターンの方式があり、それぞれ以下に示すとおりです。

非上場株式

原則的評価方式 ①類似業種比準方式(主に大会社) 類似業種の株価をもとに、1株あたりの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)の3つで比準して評価する方法です
②純資産価額方式(主に小会社) 1株あたりの総資産額で評価する方法です
③併用方式(主に中会社) ①と②を併用する方法です
特例的評価方式 ④配当還元方式(同族株主でない場合) 1年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して評価する方法

2017年度の税制改正では、①類似業種比準方式と③併用方式に影響が出るものと思われます。

また、以前から行われてきた自社株評価を赤字で引き下げてから株式を生前贈与する手法についても、待ったがかかるものと思われます。

ここで実際に評価した不動産や株式をどのように分割・分配すれば良いかは、以下のページをご覧ください。

・遺産の分割・分配割合の計算方法