全ての財産・遺産の種類をリストアップするのは簡単なことではありません。そして、相続税の計算のもととなる評価の方法もそれぞれの財産・遺産によって異なります

まず、現金や預貯金などの金融資産は親が死亡した日の残高と覚えておきましょう。しかし、ここで問題となりがちなのは預貯金の口座がどの銀行にあるのか、ということです。生前から取引銀行や通帳の場所を知っている場合は特に問題ありませんが、そうでない場合は骨が折れる作業となるでしょう。これは株式についても同様です。

もし、後者の場合であれば銀行など金融機関から定期的に送られてくる書類をヒントにしたり、家にあるカレンダーやボールペンといったノベルティグッズを参考に問い合わせるのが有効です。遺産であることが証明されれば回答もしてくれます。

また、不動産資産がある場合には特に注意が必要です。これは、土地と建物は別々に評価される上に、評価方法もかなり独特であるためです。詳細は下記のページに記載していますのでご覧ください。

・相続の不動産・株式の評価方法

その他の遺産については、以下に示す表を参考にしてください。

財産分与 財産の名称 相続税評価額の簡易計算法 大まかな目安
相続財産 金融資産 現金・預貯金 親が死亡した日の残高 左に同じ
債券・投資信託 親が死亡した日の残高 左に同じ
株式 4パターンから算出し、その最小値 左に同じ
不動産 家族が住み続ける自宅の土地 330m2までの部分 実勢価格×80%×20% 左に同じ
330m2を超える部分 実勢価格×80% 左に同じ
家族が住み続ける自宅の建物 固定資産税評価額 左に同じ
上記以外の建物と土地 実勢価格×80% 左に同じ
貸家の土地 実勢価格×80%×80% 左に同じ
貸家の建物 固定資産税評価額×70% 左に同じ
その他 ゴルフ会員権 取引相場×70% 左に同じ(※取引が成立しなそうなものはほぼ無価値)
自家用車 下取り査定価格 左に同じ(※6年以上経過した自動車はほぼ無価値)
家財一式 再調達に要する金額 一般家庭の場合は一式で30万円程度
美術品・骨董品類 時価あるいは鑑定価格 よほどの逸品以外は価値なし
仏具・墓地 非課税 ただし、過度に華やかでないものに限る
みなし相続財産 死亡時に入る現金 死亡保険金 受け取った死亡保険金の額 左に同じ
死亡退職金 受け取った死亡退職金の額 左に同じ
相続財産に加えるもの 贈与した財産 相続人に3年以内に贈与した財産 贈与した財産の額 左に同じ
相続時精算課税を利用して贈与した財産 左に同じ
相続財産から除くもの 非課税財産 死亡保険金の非課税限度額 500万円×法定相続人の数 左に同じ
死亡退職金の非課税限度額 500万円×法定相続人の数 左に同じ
葬式費用 葬式の代金 実費 一般的な葬儀の場合で200~300万円程度
債務 借金・ローン 親が死亡した日の残高 左に同じ
未払金・税金 親が死亡した日の残債 左に同じ

なお、遺産には死亡保険金や死亡退職金などの「みなし相続財産」と呼ばれるものも含まれます。ただし、これは法定相続人1人につき5000万円という非課税限度額が設定されているため、かなり大きな金額が差し引かれることとなります。このほか、過去3年以内に相続人に贈与した財産や相続時精算課税制度を利用して贈与した財産も加えます。

その一方で、非課税となるのは一般的な仏具や墓地などです。葬式費用や借金なども相続財産から差し引くことができます。